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今話題の「通勤講座」スタディングの中小企業診断士講座が気になっています。私は中小企業診断士試験を何度も受験し失敗した経験があります。その中で、たくさんの予備校のお世話になりました。
そんな、多年度受験者だった私の目線でこの講座を確認したいと思います。
中小企業診断士試験 多年度受験者から見た良い教材・学校とは? - 50代企業内診断士のつぶやき
スタディングとは
KIYOラーニング株式会社が運営する資格講座です。2018年の12月に、従来からのオンライン講座「通勤講座」 を「STADYing(スタディング)」にブランドを変更したとのことです。
最近では、ネット広告にかなり力を入れているようで、Web上で見る機会がかなり増えています。
私が受験生だったころは、この手の講座はあまり主流ではなかったので体験したことはありません。スマホの普及率の増加やネット環境の充実など環境が変わってきた今では、有力講座のひとつとなるかもしれません。
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無料体験講座を受講
そこで、スタディング中小企業診断士試験対策の無料受講講座を受けてみることにしました。その性能とやらを見せていただこうか、という事です。
登録
図は、スタディングのHPです。無料体験を試してみるボタンを押せば、メールアドレスと氏名を入力すれば簡単にスタートできます。
私は、iPhoneを使って登録しました。PC と同様に無料体験ボタンを押し、アドレス登録すると、メールが届きます。メールに貼ってあるリンクをクリックすることで登録完了です。
動画の内容
ログインすると、まず”短期合格の戦略”という動画が目に入ります。この動画は結構長いですが、スタディングの合格戦略を詳しく知ることができます。倍速モードで20分程度でした。
スタディングの合格戦略を簡単に言いますと
①通勤時間などの隙間時間を利用しましょう
②重要な内容(頻出論点)を何度も繰り返し学ぼう
③記憶が定着するように、体系的に学びましょう
この3つです。
とても合理的で説得力があります。この講座のターゲットは、サラリーマンです。普通のサラリーマンは、勉強時間を確保するのが大変です。そんなサラリーマンの通勤時間を利用して、資格を取得を目指せる、という事は大きなメリットがありますね。
また、記憶のメカニズムを利用して、記憶が定着するまで自動的に学習できるのはありがたい話です。
簡易診断テスト
無料メニュの中には簡易診断テストがあります。資格保有者である私も受けてみました。当然合格できるでしょう・・・・
結果は、D判定です。受験から遠ざかっているとはいえ残念です。
問題は、一科目5問×7科目の35問です。これらの問題は、過去問から抽出していると思いますので、合格する実力があれば、60%取れるはずという事です。
また、結果に対し各科目別にアドバイスをいただけますが、問題数が少ないのであまり参考にしなくてもいいかと思います。
スタディングの良いところ
トータルで1時間19分体験してみました。これ以外でも、スタディング提供の動画を数本見てみました。そのうえで、多年度受験者の私がこの講座の良いところ、悪いところをまとめたいと思います。
動画と音声
通勤時間の勉強は、主に動画や音声によるインプットになるかと思います。動画が見れるようであればいいですが、満員電車で身動きが取れず、それもままならないときは、音声だけでもOKです。その場合は音声モードにすれは、通信料も少なくて済みますので経済的です。さらに、動画(音声)が一本終わると、自動的に次が始まるのもよいですね。操作できないときもありますから。
マインドマップ
この講座では、マインドマップを使って、知識を体系づけています。このアイディアはとても暗記には効果的だと思いました。
学習のみえる化
ITを使った学習の良いところは、ログがとれるところですね。学習時間や何を何をどのくらい勉強したのか?ほかのメンバーと比べてどうなのか?現在の進捗はどうなのか?などの、みえる化をしてくれるのは大変たすかると思います。
1次試験は7科目ありますので、無計画に実施しているとどうしても偏りが出てしまいます。勉強時間は、苦手な科目が少なく、得意科目が多くなりがちですね。本来逆ですが。
事例Ⅲ風に言いますと、ITを利用していますので、勉強作業の統制がとりやすいという事です。
スタディングの悪いところ
いままで良いところを述べましたが、その一方で悪い点も挙げたいと思います。この辺りは、多年度受験者目線が効いていると思います。
ITを使う反面
IT技術を使った勉強は非常に便利ですが、それになじめない方も一定数いると思います。そういった方はこの勉強方法になじめないかもしれません。
機能の中に、記録ができるマイノートがありそれに気づいた点や、重点や課題などを記録していきます。そのマイノートをみて復習するのです。しかしその作成は、当然キーボードを使うことになります。(この作業はスマホでも可能かとは思いますが、厳しいと私は思いました)
今の仕事を、ペーパーレスで回しているようなデジタルな方なら、順応できると思いますが、紙のノートを使わないとしっくりこないような方は、覚悟が必要です。
2次試験対策
この講座は、1次試験対策としては優秀かと思いますが、2次試験対策としては不十分と感じます。
2次試験は、記述試験です。記述は、手で書きます。手で書くことに対する対策も重要です。
例えば、2次試験では消しゴムを極力使わないように回答手順を組み立てなくてはなりません。2次試験は時間との闘いです、とにかく時間が足りません。そんな中で消しゴムを使って消す作業は、全く生産性がなく無駄だからです。この講座では、そのような対策はできませんね。
また、時間との闘いである為、試験時間の90分内で解ききる訓練が必要です。90分を体しみこませなくてはなりません。その訓練は、隙間時間ではできません。必ずまとまった時間が必要となります。
そういった意味でスタディングは、2次試験の途中までの講座、といった印象です。
スタディングに向いている人
私が思うスタディングに向いている人は、
- PCやスマホを使いこなせる(紙を必要としない)
- 通勤時間が長い(片道1時間程度)
こんな方ですね。通勤時間が短い方は、机に向かう時間を作りましょう。机でスタディングでもいいですが・・
まとめ
今までの説明では、金額のことは書きませんでした。スタディングは、他の通学講座にくれべ価格はかなり安いです。通学講座が20万程度とすれば、スタディング1次2次講座は48900円です。
しかし、ここは金額で選ぶべきではありません。15万円程度の金額は、受験にかける自分の時間価値に比べたら大した問題ではないからです。(中小企業診断士試験の平均的な勉強時間は、1000時間以上といわれています。時給1000として100万円の投資です)
その位の金額であれば、合格した後で、副業などで簡単に取り返せる範囲の金額です。
なので、お金に関係なく自分に合った講座を選択しましょう。
中小企業診断士試験 多年度受験者から見た良い教材・学校とは? - 50代企業内診断士のつぶやき
今、私が受験生ならどうするか?と考えた場合。
1次試験対策として、スタディング。2次対策は、専門講座(できれば通学)とすると思います。
また、スタディングの広告をみると、楽に試験に合格できるかのような印象を受けますが、どんな講座を受講しても勉強することは変わりません。そう簡単に受かるものではありませんね。
スタディングを検討している方の参考になればと思います。いかがでしょうか?