50代企業内診断士のつぶやき

50代の企業内診断士が、中小企業診断士試験や合格後の副業、iPadなどを使ったペーパーレスに挑戦する様子、エクセルの活用、会社員あるある、等をつづります

中小企業診断士試験 多年度受験者から見た良い教材・学校とは?

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多年度受験者とは?

多年度受験者とは、一般的には2~3回で合格出来なかったが、あきらめず、受験回数を積み上げている人のことです。

粘りがあり合格する意思が強いとも言えますが、要領が悪い残念なイメージの方が大きいのではないかと感じています。

多年度受験者は、長い間受験をする中でいろんな教材に手を出したり、学校を変えたりしています。自分と教材が合わないのが合格できない理由としないと、精神が持たないからかもしれません(笑)。

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私が試した学校及び教材

私自身も御多分に洩れず、いろいろ試しました。以下の通りです。

  • 日本マンパワー(会社の通信教育)
  • LEC(通信教材)
  • TAC出版(本屋で購入)
  • TAC(2次通学)
  • MMC(2次通信)
  • ふぞろいの合格答案(2次教材)
  • AAS(2次体験授業)
  • AAS(春秋要約の通信添削)
  • ウェブサイトマンガDE診断士(熟読)
  • 資格の大原(2次答練通学)

こうしてみますと自分自身の事とはいえ、残念な気分になります。しかし、これだけの経験を積んだ人はそうはいません。しかし、それが私の強みであると言えます。

 

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各学校の印象

自分が活用及び通学した学校の印象をつづりたいと思います。あくまで私の印象なので、学校全体の傾向とは違うかもしれませんのでご容赦願います。

 日本マンパワー

中小企業診断士:個人のお客様|キャリア開発のパイオニア 日本マンパワー

日本マンパワーは、私が勤めている会社の通信教育メニューにありました。メニューの中でも教材価格が高く一番難しそうでした。

一番難しい通信教育をやっておけば、社内では誰からも勉強不足とは言われないだろう、といった理由でトライしたのです。中小企業診断士になろうとしたきっかけの教材です。

期間は3~6か月だったかと記憶しています。その中で数回レポートを提出しその点数が9割以上であれば優秀賞として費用の一部は免除されるシステムでした。費用は3万円ぐらいだったと思います。

1次試験のみのコースだったため冊子は8冊(各科目1冊+ガイダンス)でした。

通信教育用なのか、内容は簡単でさほど苦労せず、提出レポートは9割以上得点できました。それでいい気になり、初回の診断士試験受験に挑戦したのです。

結果は得意であった情報システム以外はすべてダメでした。

どうやら、このテキストが簡単すぎたようです。

この経験から、日本マンパワーは物足りないイメージがあります。

LEC(通信教材)

中小企業診断士|LEC東京リーガルマインド

会社の通信教育ではダメだと考えて取り組んだのがLEC教材です。

これは、中古品をオークションで購入しました。内容はテキスト数冊、問題集、DVDが60枚くらいあったと記憶しています。たぶん通学ではなく通信講座の教材かと思います。金額は6万円ぐらいでした(正式に受講したら25万ぐらい)。中古品のため、当然添削や答練は、受けられません。

DVDを一時間講義を2コマづつ観ていきました。毎日視たのですが、すべて見るのに2か月ぐらい掛かってしまいました(DVD一枚に4講義)。診断士試験の範囲の広さを思い知らされた思い出の教材です。

内容はとても分かりやすく、苦手だった科目は何度もDVDを見直しました。特に経済学に関してはとても分かりやすかったと思います。DVD教材のいい所はこのあたりかと思いますね。

講師の良し悪しもありますが、良い教材という印象があります

しかし、この教材で勉強しましたが合格はまだ勝ち取れません。1月からスタートしてDVDを見終わったのが2月中旬、そこから半年では私にとってはアウトプットの時間が足りなかったのでしょう。

TAC出版(本屋で購入)

中小企業診断士 最速合格のための スピードテキスト (1) 企業経営理論 2021年度

中小企業診断士受験者の中ではおなじみスピモンこと”スピードテキスト”です。

LEC教材は良かったのですが、1次試験突破とはいきませんでした。中古品だったので答練等のアウトプットが弱かったのかと思います。そこで、このテキストを購入しました。

さすがは大手TACが制作したテキストだけのことがあり、大変わかりやすく良い教材だと思います。

しかし、初学の方でいきなりこの教材を使うことはお勧めできません

経済学、財務、などは学校では授業も無く、今まで学んだ事がない方が多いと思います。その状態では理解が難しい項目がたくさん出てくるのです(特に経済学)。わからないことがあっても聞くことができず、挫折してしう方も多いかと思います。

私は、LECのDVDを見直したりしてその部分を補完していました。ただ、DVDですと見直したい部分を探すのがかなり面倒で時間を取られます。初学の方は、予算はかさみますが通学を選択したほうがいいかと思います。

このテキストでようやく1次試験をクリアすることができました。

TAC(2次通学)

 私は1次試験を突破することしか考えておらず(このあたりが独学者の弱み)2次試験対策が不十分のまま一回目の二次受験をし、そして失敗しました。1次試験よりずっと2次試験の方が難しくその対策が重要だ、という事をこの時に思い知らされました。

1回目の失敗の後、このままではまずい!という事で高額ですが最大手のTACの2次対策通学講座に通うことにしました。ここで失敗すればまたゼロからと考えると、なりふり構わない、という事です。

TACの2次試験の戦略は、とにかく部分点を獲得することでした。答えのない謎の試験といわれる2次試験。可能性のあるキーワードをできるだけ回答に盛り込んで合格ライン60点の少し上あたりを確実にとっていくといった作戦です。

たとえるなら、ゴルフでドライバーを使わずにアイアンで小刻みに進めていき着実にパーをとっていく、といったことでしょうか?

自分では、それなりに勉強したつもりですが、二回目の二次試験も残念な結果となり、すべて白紙からやり直すこととなってしまいました。

この時は、かなり落ち込みましたね。まったく予測していない用語が出てきて対応出来ず、事例3で足切りです。たぶん、ふつうの受験生はここで断念するでしょう。しかし、私は、もう一回頑張ってみることにしました。多年度受験者となった瞬間です。

 

実は、TACの戦略には少し違和感を感じていました。腹落ちしないといった方がいいかもしれません。2次試験は時間との勝負といった側面がある為、問題への対応をパターン化して、考える要素を少なくする戦略は合理性がありますが、私には合わないとも感じました(合格できなかったからかもしれませんが)。

TACは大手でありたくさんの合格者を輩出していますのでその戦略に会う方にはお勧めします

MMC(2次通信)

MMC 中小企業診断士スクール

MMCは、3回目の二次試験からお世話になりました。三回目という事は、再度1次試験をクリアしたという事です。そのあたりについては下記リンクを見てください

MMCは、当時2013年ごろは2次専門の通信スクールでした。今は通学も東京都内なら実施しているようです。

特徴は、とにかく合格率が高いということでした(今はわかりませんが)。通常2次合格率はおおよそ20%ですが、MMCの合格率は50%ぐらいあったと記憶しています。

MMCはTACと違い、部分点を獲得するのではなく、その事例ごとの回答全体のストーリーを重視していました。つまり、部分点ではなく答案全体の一貫性により得点するということです。

この戦略は私に合っていると思え、説得力もあり、より合理的でもあるとも思いました

しかし、またしても不合格となることとなりました。原因は、私の国語力が足りなかった為、と考えています。詳細は、後述のAASにて。

ふぞろいな合格答案

ふぞろいな合格答案 (エピソード13;2020年版)

皆さんご存じの「ふぞろいな合格答案」です。書籍ですがとても参考になる本です。バイブルといってもいいでしょう。

模範解答がなく、答えがわからない2次試験をたくさんの再現答案を集めることで、統計的に正解を導き出す、という画期的な取り組みをしています。

一つの過去問に、いくつもの回答を用意しているので、多様性があり素晴らしい参考書ですね。

受験生なら必ず入手すべきです。

AAS(春秋要約の通信添削)

AAS | 中小企業診断士 2次試験対策専門校

AASもMMCと同じく2次試験専門の学校です。また、回答全体のストーリーを重視する戦略をとっており、そこも似ています。しかし、AASは多年度受験者にも特化したカリキュラムを持っており、すがるような思いで受講を検討しました。

AASでは、2次試験に大切なのは国語力としており、日経新聞の日経春秋の要約(内容を100字でまとめる)に力を入れていました。受験生に毎日提出させそれに点数付け&添削して返却するのです。

私は自分の課題は、国語力にあると思い、春秋要約の訓練のみ受講しました、確か月600円程度だったと思います(この講座が今あるか分かりません)。春先は事例を解くより春秋要約を優先していました。

毎日春秋要約を提出し、次の日に添削が返ってきます。その添削を基に再度考え直して再提出です。その後他の受講生の優秀な回答が送られてきて反省する。これが一回のルーティーンです。最初にうまくまとめないと2回書くことになります。

4か月間毎日この訓練をした結果、かなり書く力は備わったと感じました。だいたい100字であればこのぐらいのことが書ける、といった感覚が身につきました。

というわけで、AASは多年度受験者(国語力が弱い方)には非常によい学校かと思います。

自分に国語力がないと気づくことが重要ですが。

ウェブサイトマンガDE診断士(熟読)

【多年度受験生向け】診断士2次試験をマンガで授業するブログ マンガde診断士から和泉塾へ

このサイトはとても参考になりました。私が見ていたころはまだ和泉塾は開校していなかったので受講はしていませんが良い講座になっているかと思います。

この講座は”フロー”という独自手法を使い2次試験を解いていきます。その考え方はMMC、AAS、同様全体のストーリーを重視しています。

すべての問題の構成は1パターンしかない、と言っています。

  1. 今まではうまく経営ができている
  2. 経営環境の変化が起こる(市場が変わる、競合が登場、など)
  3. どう対応するか?

この思考で、ごちゃごちゃ考えていたのが吹っ飛びましたね。

資格の大原(2次答練通学)

https://www.o-hara.ac.jp/best/chusho/

最後ですが、こちらも大手の資格の大原です。あまり診断士試験では実績は上げていないようです。

ここの特徴は何といってもコスパです。2次答練講座は他の学校よりかなり安いと思います。(答練回数÷受講料)

2次答練講座はテキストはなく、ひたすら答練をするといった授業でした。テキストがないので講師のスキルがすべてという大手とは思えない体制でした。

私は、回答の練習がとにかくしたいだけでしたので、私のニーズに合っており良かったと思います。そういった方にはお勧めです。(現在はどうなっているのかは、わからないですが)

授業の質というより、練習ですね。

まとめ

私の受験プロセス込みで各学校の紹介をしてきました。

私にとって最も効果があったのは、効果順で下記の通りです。

  1. AASの春秋要約
  2. MMC2次通信講座
  3. マンガDE診断士

すべて2次試験講座ですが、理由は中小企業診断士試験は2次が肝となると思うからです。1次試験は答えがある試験ですのでどの学校でもそれなりに勉強すれば合格できると思います。

しかし、2次試験は、能力が備わっている人は容易に合格でき、能力が不足している人はいつまでたっても合格できない試験だと思います。

私は文章を書く力(国語力)が足りてないことに途中で気づきました。読むのが遅く、書くのも遅くまとまりが悪い、ということです。春秋要約で不足した部分を補填で来たのが合格できた一番の要因かと思っています。

ツイッターで、春秋要約を検索するとたくさん出てきますので、自分でもすぐ始められます。

文章の苦手な方はやってみて下さい。

この記事を読んでいる方は、中小企業診断士試験を検討しているか、受験生かと思います。何かの参考になれば幸いです。