50代企業内診断士のつぶやき

50代の企業内診断士が、中小企業診断士試験や合格後の副業、iPadなどを使ったペーパーレスに挑戦する様子、エクセルの活用、会社員あるある、等をつづります

組織を変えようとする時、絶対にしてはいけない事

 

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<この記事は1958字です>

 

私は会社員です。比較的歴史のある企業に勤めています。ありがちな昭和の高度成長期に大きくなった企業です。また、成長志向ではなく着実に主業をこなしてきた、いわゆる中堅優良企業といったところでしょうか。

しかし、日本の経営環境は人口減少や超高齢化で大きく変化しつつあります。そんな中で企業は、変化に対応する為に、自分自身も変化しないと生き残れなくなっています。

私の勤め先においても、市場変化に対応しないと10年後は生き残っていけないかもしれません。しかし、組織というものはなかなか変化できません。私の同僚が、変化を促すために行動に出ましたが全く効果がないどころか、強い批判を浴びることになってしまいました。

その失敗を傍らで見ていたことで分かった事をつづります。

 

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結論、理路整然と説得することだけはやめた方がいい

私の同僚は、30代後半で学歴もあり頭がいいやつです。会社の置かれている状況を彼なりに分析をして、このままでは先行きが危ういと考え、行動しました。

彼はパワポをきれいにまとめ、上手にプレゼンをしていました。いろいろな部署の会議に出席をさせてもらい、会社を変えようとしたのです。

しかし、まったく変わることはありませんでした。

変わらない理由

なぜ、変わらないのか?彼の発言は全くその通りだと今でも思います。それなりの数の仲間も生まれました。「変わろうとしないあいつらは、バカなんだ!」そんな悪態をつていたこともありました。当時の私も、こんな組織終わったな、などと言っていた一人です。

今思い起こしてみてわかった事です。

変わらない理由は、彼がプレゼンをしたことだったのです。

誰が発言するかが、すべてです

彼の提案は、営業についてでした。しかし、彼はデザインを担当している、技術系の部門に所属していました・・。

そうです、営業系の人たちはそんな技術系スタッフの提案には聞く耳を持たないのです。「営業を知らないやつのいう事を聞くわけないだろ、100年早いわ!」という事です。

その後、彼は営業部門の敵として見られてしまい、もう主張が受け入れられる余地がなくなってしまいました。

組織とは

組織とはたくさんのメンバーで成り立っています。そこでは、暗黙のルールのようなものが生まれます。人が入れ替わってもそれは残り、次のメンバーに引き継がれます。それが、組織文化というものです。

組織文化とは、一般的には良い物として語られます。歴史がある企業ではなおさらです。一方で、その文化を変えることは難しいともいえます。強固に出来上がった文化は簡単には変えられないのです。固まった文化が邪魔をして、市場の変化に対応できなかった企業は市場から退場していきます。企業の平均寿命は30年といわれているのはそういったことが理由なのではないでしょうか?

ではどうするべきなのか?

私の会社の変革は、まだ道半ばです。しかし、時間を戻すことができたなら、こうしたらよかったと後悔している事をまとめます。

①下手(したて)にふるまう

彼は、学歴もありプレゼンもうまいのですが、逆にそれが鼻についたのでしょう。そういうことにならないよう、下手にふるまい、決してプライドを傷づけることがないよう細心の注意を払うべきだったと思います。

②営業部の賛同者を見つける

技術部の彼の発言は、営業部にとって受けいれることができません。営業部には、いままで会社の売り上げを構築してきた自負があります。それを、営業の分かっていない(私は分かっていると思う)彼が物申すことは、自尊心を傷づけられるため許されないのです。

したがって、営業部の内部からの発案として提示することができれば、少なくとも全否定はなかったと思います。

③粘り強く啓蒙し続ける

市場環境の変化を示すデータなどを、少しづつ、何度も何度も、発信し続けると、自然に危機感を共有できたのではないか、と思います。会社の掲示板でもいいですし、メールを配信してもいいかと思います。

そういった、発信で予測したことがその通りになってくることで、変化の動機となるでしょう。

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まとめ

組織を変えることは、簡単ではありません。本来なら、正しい主張をすれば受け入れられるべき、かと思います。しかし、組織は人が動かしています、人は納得しないとなかなか動いてはくれません。納得するにはそれなりの知識が必要ですが、日本の会社員は統計的にほとんど勉強をしていません。

結局、自分が納得できるような人が言えば聞く耳を持ってくれるのです。自分で考えるのではなく「あの人が言うならそうだろう」という事です。そういう”あの人”を説得して変化を促すべきだったのでしょう。

 

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今回は残念な結果になってしまいましたが、この経験を踏まえて、次の一手を打ちたいですね。